『カリスマ』のテラくんが10年前『アルターボーイズ』のマシューだった、ということを知ってから動悸が激しい。
アルターボーイズは2009年から日本で上演されているオフ・ブロードウェイが原作のミュージカルで、対するカリスマは2021年始動のwebボイスドラマ&楽曲コンテンツである。
そのカリスマでテラという名前の自分のことが大好きな『自愛のカリスマ』なるキャラクターの声を担当している大河元気さんが、かつて役者がメイン活動だった時代にアルターボーイズに出演していたというのだ。
それでなぜわたしが挙動不審になるのか?
アルターボーイズはわたしの2021年を変え、カリスマは2022年末を乗っ取った、どちらも推しコンテンツだからです。推しと推しのクロスオーバーはすべからく滋養強壮によい、と相場が決まっておりますので…
というわけで、この記事『七人のカリスマがもしアルターボーイズだったとしたら?』という狂文をしたためることにしました。わたし以外にこのテーマに興味がある人がいるとは思えないけど、文章のターゲットなんて狭ければ狭いほどいいってフォロワーも言ってたし(フォロワーを過信するな)、わたしも今年出す本はぜんぶ5部しか刷らないつもりだし
まずはアルターボーイズの登場人物ごとに、カリスマの誰なら演じられそうか、似合いそうかを見ていきます。
マシュー
まずはリーダーのマシュー。バンドメンバー五人の中で唯一、これといったマイノリティ要素を持たない人物。
まずここで、アルターボーイズのストーリーについてざっくり概要を説明してみる。
「『アルターボーイズ』とは、キリスト教(カトリック)の教えを広め、人々の魂を浄化するために結成されたボーイズバンド。彼らがついにワールドツアーの最終公演にやってきた。公演はいつも通り滞りなく進行するが、今日がメンバー一人の誕生日だということでサプライズが仕掛けられる。そこで判明するショッキングな事実と、舞台上で起こるアクシデント。メンバーは無事にコンサートを終演させ、人々の魂、そして自分たちのバンドそのものを救済することができるのか!?」
なにを隠そう、大河さんがマシューだったと知って「えー!」と大声あげてしまったのは「テラくんがマシュー。わかる。」となってしまったから。
マシューは強い。テラくんも強い。マシューの強さがメンバーに信頼されることから生まれる強さであるのに対して、テラくんの強さはテラくん自身に愛されていることによるものだけれど、なぜか二つはよく似て見える。それらが「世界の中心に立てる強さ」であるという意味で一致しているからかもしれない。
テラくん以外なら、天彦もマシューになれると思う。メンバーいちの大人であるし、自身のカリスマたる部分にさえ触れられなければ相当な常識人。
たぶん客席のお客様をナンパするのも余裕。これがテラくんだと…「君が今夜のエンジェル?いやエンジェルは僕、テラくん。さあ舞台に上がっておいで。わかるでしょ、テラくんの輝き。そう、テラくんの良いところ一つずつ言ってみて。まず美しい、そうだね。テラくんは美しい。次に?カッコいい。そう、テラくんはカッコい(以下略)」(この間エンジェルちゃんは一言も発す隙を与えられません)
天彦はカリスマ七人の中で唯一パフォーマーであることが明言されている人でもあるから、そういう意味でもバンドのリーダーを務められそう。
他の人を見てみると、理解くんはお兄さんであるけどチェリーなのでマシューは無理だな。伊藤ふみやは最年少ながら当然リーダーの素養があるけど、彼については後述する。
マーク
マシューに恋するマークちゃん。バンド内ではダンスの振り付けを担当。
探したけど、カリスマの中でマークちゃんができそうなのは依央利しか見当たらない。というのも、カリスマの中で『嫉妬』という感情を明確に持ってて見せてくれてるのが彼しかいないから。あと歌もうまいし。一人ミュージカルかつ歌のおにいさん。
いおがマークなら誰がマシュー?なのだけど、これはもうふみやかテラしかいなくない?となってしまう。でも、いおとテラは二人集まるとなんというかベクトルが一緒になってしまうので(いわゆるチームJK、女子会)やっぱりふみやしかいないかも。いおならエンジェルちゃんにも間違いなく猛烈に対抗心燃やしてくれるしな。
ふみや「へえ、エンジェルっていうんだ。君、お菓子作れる?作れるんだ。今度作ってよ。それからこの公演あと何回入る?2回?俺たちまだあと十日間マチソワ残ってるんだけど?——ふーん、入るんだ。ロビーでリピーターチケット売ってるから100枚買って」
理解「ふ、み、や、さん……ッ!!!!」
ルーク
更生センター上がりのヤンキー。猿川慧。以上。
……ではあまりにあまりなので、もうすこし。
不良、喧嘩っ早い、根は友達思いで優しい、あたりでもうQEDかなと思うんですけど、まあでもルークも猿もそこらへんのステレオタイプで語れるキャラクター造形からはみ出る部分に美味しさがあるよな、みたいな話はいつでもしたい。
2021ゴールドのルークでいうと、そこのはみ出る部分の一つに「地頭の良さ、賢さ」というものがあると思う。そこんとこ猿ちゃんもそういう要素絶対ある気がするんだよなー…なんかバカと見せかけて基礎教養がちゃんとあるので。逆に依央利は清廉と見せかけて俗っぽいところがある。
ちょっとずれるけど、いおとさるが幼馴染だから、アルターボーイズ界の幼馴染(だよね?)ことマークとマシューどうなの?という話になると、猿ちゃんはパンクとかロックの音楽が好きなようなのでそういうところはたぶん似合ってるけど、まずもって神様の存在自体に反発しちゃうから伝道なんて無理中の無理だし、あとこいつは最後でみんなのことを絶対に裏切れない男なので…猿……
キャラじゃないな。以上。
フアン
天堂天彦いいよねー。まあ彼はラテンの男と思わせといてインドの男なんだけど(ソロ曲、そういう感じだよね?タイランドとか歌詞に出てきたけど、どちらにせよアジア?)
ただ、フアンちゃんのルーツ(孤児である方)に目を向けると、一番近いのは猿川慧だろうなぁとは思う。
カリスマ、他の大多数はとりあえず『家族という箱』は持ってるように思われるので。でも、箱はあるんだけど、空っぽだったり、辺や面を欠いてたり、底がいつ抜けるかわからなかったり、自分を守ってくれなかったり、いろんな理由で安心してそこにとどまれなかった、そういう風に感じられる。
そんなみんなを集めて一緒に住まわせたふみやの思惑、というかきっかけ、みたいなところは気になるし、ふみや自身はルーツがまるっきり謎なのでそこのところもいつか匂わせてほしいけど。
にしてもフアンちゃんかー。日本のアルターだと色んなタイプのフアンがいるけど、基本のキャラ設定は色男らしい。やっぱ天彦しか無理だろ。
あーでも、ふみや…ふみや……うん。もし、フアンがふみやだったとしたら、ご両親のシーンの色合いがまったく違うものになってしまうとは思うけど、それはそれでなんか成り立つかも、という気もする。
なにより、最後のシーンでアブラハムに「家族ってことだ」と声をかけるのはフアンでしょう。そこを考えると、ありだよね。
アブラハム
ここまで名前を出してないのは理解くんと大瀬くんの二人だけど、二人ともかわいいアブちゃんすぎてとてもいいなと思う。
アブラハムという役柄は「ユダヤ人(ユダヤ教徒)であるにも関わらず神様のお告げでキリスト教の布教バンドに放り込まれた、ある意味異端者」なんですよね。だから誰よりも、このバンドに自分がいる意味というのを考えるし、悩むし、結果としてメンバーの中で一番バンドそのもののことを信じるようになる。
理解くんもあの混沌としたカリスマ集団の中で、自分だけが秩序であり正しさだと高らかに宣言しながらも、自身が世間から逸脱していることを実はちゃんと認識していて、そのことに対する不安や焦燥みたいな感情も実はちゃんと持っている。
大瀬くんも同じく疎外感を抱えてる人ではあるけど、また少し種類が違って「みなさんは素晴らしい。生きる価値しかない。自分とは違う。自分はクソでゴミ。今すぐ死ね」とそういう自己認識としての「自分は他とは違う」である。
でも大瀬くんって、すぐ死のうとするところを除けば(そこがめちゃくちゃ重大ではあるけど)とても図太いし、ふみやすら黙らせるような言葉の強さも持ってるし、アブラハムの言葉に対して大瀬くんはものづくりという違いはあるけど、同じ創作者であるなぁと思う。どちらのアブちゃんも素敵だな、ぜったい素敵だろうな…
なぜカリスマはアルターボーイズなのか?(アルターボーイズではない)
よくよく考えてみると、こんなことを考えてしまった理由にはテラくんマシュー事変ももちろんあるのだけど、カリスマの最新曲タイトルが『神の領域』であったのも大きいように思う(あ、この記事は元々2023.1に書いていました)。
この曲を聴き、あぁ彼らは『カリスマ』を名乗ってはいるけどだからといって「私が神だ」というようなことではやっぱりないんだな、と。カリスマのサブタイトルは”They’re just ordinary guys”だから当然といえば当然のことなんだけど。
『神の領域』の歌詞も「自分の哲学を貫けば、神の領域(あくまで領域)に近づける」というもので、なんだかそこのところが、ユダヤ人でありながら自分の考えを突き詰めた結果アルターボーイズの根幹にたどり着いたアブラハムを思い出させるような気もするし、ぜんぜん違う気もする。
しかしやっぱり、カリスマたちにアルターボーイズをやってもらうのはどうにも無理なんじゃないか(最初から可能性ないよ)。
だって、マシューがテラくんだとしたら、アルターボーイズはテラくんのすばらしさを広めるバンドになってしまうし、天彦だったら世界にセクシーを伝道してしまう。ふみやは「神がいるとは言い切れないんじゃないか」って言ったあげくに聖体をつまみ食いするルークを絶対止めないし、なんなら自分も糖蜜をかけて食う。理解お兄さんはエンジェルをナンパできないし、依央利はエンジェルと張り合うし、猿はエンジェルと決闘する。大瀬はバンドが解散するより先に死ぬ(死ぬな!)
よって、もし七人のカリスマがアルターボーイズだったとしたらそれはただの『カオティックバンド(28話参照)』に他ならないのだけど、それでも推しと推しのクロスオーバーは健康にいいし、カリスマ2期は早く始まってほしいし、アルターボーイズは1.5年に一度くらいは来日してくれ。
以上、アルターガールズであるところの一人の凡人の切なる願いでした。ご清聴ありがとうございました。
(前に「もしK-POPアイドルASTROがアルターボーイズだったとしたら」というテーマで書いた時には文字数二千字だったんですけど今回ゆうに四千字あるな…(前者は公開していません))
コメント