ALTAR BOYZ 2021(2021/4/23GOLD)

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はまりたての熱量でブログを書くのがだいじ、とこの十数年実感し続けているのでアルターボーイズのブログをまた書く。4/23昼公演のGOLDです。(アフタートークはまた後日かけたらいいな)

初見の感想はこちら↓

そもそもなぜアルターを観に行くことにしたかというと間違いなくヒプステで、中でもステオリジナルキャラクターである蛇穴健栄役の松浦司さんと「酒屋のたいちゃん」こと駒形正宗役の和田泰右さんにどハマりした、というのが大きい。
ヒプステきっかけで仲良くなったみなさんがこぞってアルターボーイズを(わりと狂い目のテンションで)推しておられたので、ぜひ見てみたい、と思ったのでした。

だからたいちゃんに加えて北乃颯希くんも出てるSPARKの方がよりはまるかな?と思ってたし、東山義久さん、植木豪さんの出ているLEGENDもとっても観たかったのだけど、完全に落ちたのはGOLDだったよ……いやSPARKもめちゃくちゃ好きだったしLEGENDも見たら「レジェンドしか勝たん」とか言い出す可能性ゼロではないけど……

初見は上手側だったので、リピーターチケットで下手側を買いました。浮いたお金でサイリウム買って振ったよ、紫と緑です。色々察してください。

開演前に「アルターボーイズの登場まであと◯分!」ってノリのいいアナウンス入るの天才だよね。めっちゃ気分上がる。そんでもってオープニングから馬鹿みたいにかっこいい。ウワァァァー!また会えたー!ってぶち上がった。

公演は、折り返しを迎えてすこしだけみんな浮き足立っている?という感じがありつつも、安心と安定のGOLDだった。歌声がぶあつい、ハーモニーが作れるって強い。
大山さん、法月さんはもう圧巻(とくにEpiphany)だし、石川さんと若松さんは素養を存分に発揮しているので、そこについてってる松浦さんすげーな、と思った。いやShya7でボーカルやってるのも知ってるけど、本分はダンスの人だよね。

とにかく前回からマークちゃんとアブちゃんが気になってしょうがなかったのでいてもたってもいられず二人ばかり見てしまった。けっこう同じサイドにくる、とか発見もあり。

たとえばとびきり好きなのが、公演の前半では大好きなマシューと並んで話してるアブちゃんに嫉妬してものすごい顔で間に割って入ってたマークが、最後の曲『I Believe』の後半ではそっとアブちゃんをマシューの方に押し出すところ。とっってもいい笑顔で。
その前かな、アブちゃんの手を両手で優しく包み込んでにっこり微笑んで歌うマークもとても好き。歌のとおりの愛の人だなぁ、と思う。

マシューが客席の女性をナンパする『Something about you』の楽曲でも、ずっとソワソワしちゃって今にもマシューに向かって飛び出ようとするマークのことを必死に目線でいさめてる(というかものすごい顔で見つめてる)アブちゃんがとても面白い。

初対面のときに、マシューとルークはアブラハムのことを知っていたけれど、フアンとマークは知らなかったんだよね(フアンは全員と初対面だけれど)。そのときには「ユダヤ人なんて教会に入れていいわけ?」と歓迎ムードをあまり出していなかったマークが、アブちゃんとこんな風になるんだなぁ……と思うと、ラストでより感極まってしまう。

フアンとアブちゃんも知り合いじゃなかったわけだけど、二人のマイノリティ性は「ルーツが違う」というところで共通しているともいえる。
だからこそ、アブラハムに「自分たちは家族だ」と語りかけられるのはフアンしかいなかったのだと思うし、フアンをそういう気持ちにさせたのは間違いなくアブラハムを含む4人のメンバーだ、と思うとグッとくる。

ところで、アルターボーイズのストーリーはハッピーエンドだけれど、バンドに対して手酷い裏切りをした4人がいるのにこれからの彼らがまたうまくやっていけるのか?という疑問は当然生じるところ。でもわたしには、マーク、フアン、ルークの3人が「裏切った」とは感じられない。
フアンは、目の前で困っている人に手を差し伸べずにはいられなかっただけじゃないかな。そこに虚栄心や利己的な考え方のかけらはもちろんあっただろうけど。ルークも半ば事故みたいなもの。こんな展開にならなければ「何やってんだよ」と怒られて、マシューかアブちゃんあたりが話をつけて、笑い話になって終わりだったろう。

わたしはマークのことも責められない。自分の中にいるもう一人の自分。自分自身で認めることすら難しかった、それでもたしかに存在していた自分。「ソロでやらないか」という誘いは、ずっと虐げられて、のけ者にされて、姿を隠していた自分自身が、価値あるものとして、一人の人間として認められた瞬間だったんだと思う。
仲間に受け入れられることはもちろん大切だ。でも、それとは別にまったくの他人に褒められたい、認められたい、そういう欲求ってあっていいと思うし、その心を否定できないよ。

だから、キーになるのはやっぱりリーダーであるマシューなんだと思う。
マシューって説明が難しいキャラクターだな、と2回、いやスパーク入れて3回公演を見て、改めて感じた。
アルターボーイズについて書かれたものを色々読んでいて「それぞれマイノリティ性を抱えた5人のボーイズバンド」と説明されていることも多かったのだけど、私にはマシューのそれはよく掴めていない。
でもアルターボーイズのリーダーは間違いなくマシューで、代わりはいなくて、日本のアルターボーイズは今回で言ったら3チームあるけれど「チームの色」とでも呼べるものに一番大きく影響しているのはマシューのキャラクターだ、と思う。

仲間に慕われて中心に立ってるなと感じるGOLDの大山マシュー、学校いちの人気者がリーダーになったようなSPARKの小林マシュー。LEGENDは、小林マシューが王子様と呼べるなら東山マシューは王様だ、と友人が言っていた。わかる気がするし、自分の目で耳で、確かめたかったなぁ。

そんなマシューが最後にみんなの元に振り向いたんだから受け入れてもらえたんだから、アルターボーイズは大丈夫、って考えるまでもなく信じられるんだよ。この千穐楽が終わったら、フアンちゃんはお墓参りに行って、もしかしたら5人みんなで行って、たくさん休んで美味しいものを食べて、また5人で走り出すんだよ。
誰も欠けないし、なにも損なわれてなんかないんだよ。

アルターボーイズに残ったのが自分だけ、と悟っていくアブラハムの表情やリアクションも、とても個性が出るところだと思う。若松くんのアブちゃんはつらかったな。切実だったな。
ストーリーを知っていても、胸が詰まったな。
子供の頃のアブちゃんはどうして4人と一緒になりたい、と思ったんだろう。
神様の声は途切れて、異教徒の自分にはひどく聞き取りづらくて、でもそれでも耳を澄ませて受け取って、届けようとしたものはなんだろう。

「いつかその答えがわかるのではないか、と期待していました」

ひょっとしたらだけどね、アブちゃんは自分の「いるべき」場所、において、なにか疎外感を持っていた子なんじゃないかなと思う。
それは学校のクラスの中で自分だけルーツが違うから、とか異教徒だから、とかそういうことではなく、自分と「同じ」はずのみんなの中で、どうしようもない孤独を抱えていたんじゃないかなあ。
そんな日々の中で、アブちゃんが誰であろうと気にせず「こいつ文才あるぜ!」と健やかに言ってくれるルークがいて、じゃあ書いて!と朗らかに声かけてくれるマシューがいて、友達になってくれるマークとフアンがいて……
それが今日の千穐楽の5人につながっているような気がする。

アルターボーイズ、とっても面白かった。
ただ腹を抱えて笑うだけでなくて、いろいろ自分や友人や社会とも照らし合わせて考えてしまった。
でも、考えさせられるからいい作品、ということじゃなくて、ステージを見ている間はそんなこと一ミリも頭をよぎらなくて、ただただ夢中だった。きらきら輝いていた。全身でそれを浴びた。

一人ひとり、こんなところが好きだったよ、というのを書いておきたい!

大山さん。
今年のスパークとしか比較できないけど、強いマシューだった。オープニング、シルエットが浮かび上がる瞬間から強い、と思った。たぶんマークのいじめっ子蹴散らしエピソードからしても物理的に強いと思う。
でもね、そういう強い人が弱さとか隙を見せる瞬間に「あっ」ってなる気持ちがあるじゃないですか?GOLDのマークのラブはそういうところにあるんじゃないかな?と勝手に思ったり。
歌がとってもとっても良かった。スレイジー1のアクトさんでしか聞いたことなかったのだけど、当時から上手かったけど、心に響く力強い歌声ってこういうことだよな、と。一音一音語りかけてくるよね。

法月さん。
5人が5人とも素晴らしかったこのステージ上で、今日の主役はあなただったね、と間違いなく言いたくなってしまう凄み。まず『Rhythm in me』の合いの手がね……!二回目みて、あ、初めて見たときにマークにぐっと引き込まれたのはここだ、と思い出した。独擅場だった。
彼が主役の楽曲『Epiphany』はその前の独白と合わせて、この人がマークじゃなかったら世界のどこにマークがいるんだろう、と思ってしまうほど。そのもので、人生だった。
どうしてこんな風に笑えるんだろう。歌えるんだろう。
何重にも意味を、意志を、込められるんだろう。
初日に本当にびっくりして好きになってしまって、アルターガールズの先輩方に「法月マークがとっても良かったです」って伝えたら「今年のマークはここ数年に一度の出来だから」「いつもいいけど特に最高だから」「ボジョレーヌーボーみたいなものだよ」と言われて納得しつつめちゃくちゃ笑った。今年のボジョレーが飲めて幸せです。

石川さん。
ルークって単純(脳筋)に見えてけっこう複雑なキャラクターで、自分の中の複雑な思いをうまく言葉にできないみたいなところもあるし、新太くんのような多彩で賢い方が演じるのって難しいこともあるんじゃないかと思ったりするんだけど(想像です)、あらたくんのルークがわたしはとても好きだな。彼は自分の非行の原因を「ストレス」だと語るんだけど、なんかストレスでガーっとなっちゃうっていうのがよくわかるルークというか……。
演技も踊りも歌もとても上手なんだけど「上手だね」でさらっと流させない味がたしかにあって、そこがとても魅力的だなあ。
そしてツッコミの切れ味と正確性は、これもう天性のものだよね。マークと二人ツッコミに回ること多いけど、全然方向性が違って面白いな。

松浦さん。
アブちゃんを除いて、一番自由にやってるフアンちゃん。初見ではコーンロウのヘアスタイルにどぎまぎしすぎてるうちにあっという間に終わっちゃったから2回目でようやくしっかり見られた。……かわいかった!
もともとヒプステで好きになって、気になるあまりミリしらのユニット見に大阪まで遠征したりもしたくらいで。その蛇穴さんとはあまりに違うキャラクターだったんだけど、GOLDの中でのびのびやってる松浦さんのフアンちゃん、好きだった……。
ブレイクできるからダンスの見せ場が多かったのもまっちゃんで、レジェンドと掛け持ちだから公演数も一番多くて、おまけに稽古期間にかぶる形で大怪我したりとかしてて、すっごい大変だったと思うし口でも色々言ってたけど、パフォーマンスじゃまったく見せなくてそういう意味でも。

若松さん。
「人は初めて見たアルターボーイズを親だと思う」とアルターガールズの間では語られているそうだけど、それでいうならわたしにとってのアブラハムは完璧に若松くんになってしまった。これは大変な罪ですよ……?
初めて見た17日公演で「リポビターン!デー!!!」と叫ばれた瞬間から始まったような気もするし、そうじゃないかもしれない。
真っ直ぐな声で、瞳で。そして多くの人の記憶に忘れられない衝撃として刻みつけられた鋼のハートと脅威の回収力で。確固たるひとりの存在を創り上げてくれた君が大好きだ。

5人を、5人が織りなすteam GOLDを、そして全ての2021アルターボーイズをもっともっと見たかった。
悔いがないって演者さんが語ってるからそう思わなきゃな、と思うし、なによりたくさんの見られなかった方たちがいた中で数回見られたことがどれほどの僥倖だろうとも思うけど、正直めちゃくちゃ悔しい。

こんなに好きになっちゃってどうしよう、ってずっと思ってる。
でも会わなければよかった、とは絶対に思わない。

↑初見の感想ブログです。

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