ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」、2025年の3チームを観てきたので感想を書きます。
2公演だけのNew Generationチームは観られたけど4公演のTeam GREENは観られなかったよ〜!2022年も花村想太さんのフランキーは見られていないので残念ですがしかたがない。でも見たかった!
と叫びながらスタート。なんにせよジャージー・ボーイズ、とても面白くてどのチームも本当によい。またみんなに会えますように。
舞台感想
前置き
わたしがジャージー・ボーイズに出会ったのは前回、2022年公演のときのこと。
同じボーイズつながり…というわけではないですが、アルターボーイズというミュージカルに2021年どハマりして、そこに出ていた役者さんが多数出演するから、というのがきっかけでした。なので、大山真志さん、法月康平さん、若松渓太さんが全員見られる(はずだった)Team BLACKのチケットを取った。
ご事情で法月さんの出演がかなわなくなり、残念な気持ちを抱きつつ、予備知識もまったくないまま日生劇場に初めて向かった。…すごいものをみた、と思った。
あれよあれよというテンポ感で繰り広げられるストーリー。絡まってはほどけほつれて、そして編み直されていく四人と周りの人々の関係性。圧倒的な歌、そしてハーモニー。三時間があっという間で、見終わってすぐ、なんとかもう一度観に行けないか、と考えていたと思う。
実際はどうにもならなくて、ただ2024年にはそのTeam BLACKの4人が歌ってくれるツアーコンサートには行けた。なんとなく思い入れが深まって2025年の本公演が決まったから、自分比でたくさんチケットを取りました。
今もう持ってたチケットはすべて行き終わっちゃったけど、いや、全然もっともっとたくさん行きたかったな…!どのチームも一回違いを見てみると、またあのチームも観てみたい!となってしまうので、きっと何回行っても同じことを言っているはずである。
Team BLACK
2025年最初に観られたジャージー・ボーイズがこの四人でよかった!うれしかった!
2022のときは、いい意味でめちゃくちゃ浮いている中川フランキーとその圧倒的兄貴分をやっているトミー、食えないボブとまた別の意味で食えないニック、という印象だった記憶があるのだが、三年を経て四人のチーム感が増しており、なんか、よかった。とてもよかった。

中川フランキー
初めて中川さんの歌をジャージー・ボーイズで聴いた時にはとてもびっくりした。フランキー役を日本でできるのはこれまでこの人しかいなかった人、ということだけ知っていて、第一声でその意味がわかった、と思った。
2024年のコンサートで聴いたときも、人の身体って楽器なんだな、音楽を「奏でる」んじゃなくて「音楽をそのまま口から出す」ことのできる人っているんだなあと感じた。
2025年の中川フランキーも、どこか浮世離れしていて「冬」になって語り出すまで何を考えているのかわからない(あまりに歌がうますぎるため)、という印象はそのままだったけど、チームの一員、チームのリードボーカル、生粋のジャージーっ子、という地に足のついた感覚もまたあった。
藤岡トミー
わたしにとってトミーとは藤岡さんであり藤岡さんがトミーなので…兄貴分らしいところも子供っぽいところも、頼れるところもどうしようもなさすぎるところも全てがトミー…
憎めない悪党、と呼ぶには存在感がでかすぎる。実際にデカいトミーもそれは最高なんだけど、藤岡さんのトミーはチームを「おっきいほう」「ちっちゃいほう」の二つにわけたときにフランキーと一緒にちっちゃいほうをやっているところが、こう、絶対の信頼を勝ち得ているわけではなくても無碍にできない絆、というものに一役買っているのかな、という感じもあり…
大山ニック
大山さんのニックってけっこう複雑なタイプのニック・マッシだったのかも?と思ったのは、山野さんのなんだか変てこな味のあるニックを見て、そして飯田さんのシンプルどストレートなニックを見たからかもしれない。
大山ニックは愛嬌とどっしりした存在感があって、チームにたしかな居場所があって、と思えたところからの急展開脱退だから(トミーの件があるにせよ)どういうことだったんだろうなとずっと考えてしまうんだけど、飯田さんのニックは行動はまったく同じはずなのに不思議と「そうなるよね」と思えたので。もちろん観劇回数を重ねてストーリーへの理解が深まったからともいえる。
だからもう一回味を確かめるためにBLACKが見たい、大山ニックが見たいという無限ループ…
東ボブ
とんちゃんボブは若さとか、うまさとか、食えなさとか愛らしさのバランスがめちゃくちゃ素敵なボブだなー!華やかなのにちょっと陰のある感じが、表に出るのは苦手だ、って言われてもすっと納得できる。
2022は彼もまたチームから少し浮いた存在だったように思う。あくまでフランキーとその声を世に出したい、生かしたいと思っていたんだねって、ビジネス要素も強い感じ。今年は彼も明らかにチームの一員度が増していた。
ボブのCry For MeとOh, What A Nightがこんなにも大好きになっちゃったのは東ボブのせいだと思っている。あとやっぱり大きくて…いいよね…
Team New Generation
ニュージェネチーム、誕生を聞いた瞬間わくわくが止まらなくなってすぐにチケット申し込んだ。取れてよかった。門出に立ち会えて、めちゃくちゃ良い回だった。
わたしはミュージカル界の事情にそれほど詳しくないけど、アンサンブルキャストがメインに躍り出ることが難しい世界になっている、というのは、そうなんだと思う。この公演、試みが成功したことで、簡単なことではないと思うけど、同様の取り組みが広がってくれると嬉しい。
今回、BLACKとYELLOWも含めた3チーム観たことで、メインキャスト以外の名前やお芝居もどんどん覚えていって、どんどんみなさんのことが好きになっていった。こんなに素敵な人がたくさんいるんだなあ!という気持ちに毎回なった。いろんなニュージェネチームが見たい。劇中でもフランキー・ヴァリ&フォーシーズンズのときの四人がそうだよね。あんなチームがどんどん生まれたら…と思うと夢が広がる。

大音フランキー
大音さんのことは「ちょっと様子がおかしくてかなりアクの強いアブラハム(アルターボーイズ)(合同公演にて出演)」というめちゃくちゃ偏った姿の印象が強かったのだけど(ほかにはキンキーブーツで観ています)、素敵なフランキーだった。ブラックしか見たことがなかったところからだったから、違いや差をもっと感じるものだと思っていたら、すんなり飲み込めてしまったのは、ジャージー・ボーイズとフランキー・ヴァリへの理解の強さがなせる技だったのかもしれない。
ボブとのニコイチ感がとても強いのもニュージェネチームの特徴で(サイズ的にも)、よい風景だった…なんとかしてまた見たいぜ
加藤トミー
加藤潤一さんには2022年のボブ・クルーのシングルキャストの件で頭が上がらなさすぎて(シンプルに大感謝)、トミーってまた全然違うキャラクターなのにいいトミーだったなー…根のまじめさというか、そりゃ悪事は働きまくってるんだけど、なんかそうならざるを得なかった悲哀さも感じられた、というか。といってもラストシーンの「こいつ!」と言いたくさせるのはやはりトミーである。
山野ニック
山野さんのニックは味のあるなんだか変てこなニックで、山野ニックを見てわたしは「もしかして、ニック・マッシってちょっと変な人だったのか?」と思ったりした。大山さんのニックは愛嬌で全てをカバーしているというかわたしはもう「好き!」としか見られないので…わたしは大山真志が好きなので…
このニックが去り際フランキーの額にキスを落としたことにはびっくりしたけれど、とてもよくわかる、と思った。飯田ニックがやらんのもわかる。いろんなニックとフランキーを観ていると、最初の教会のシーンの見方もまた変わるもので、だからまた理解しながら観たいからNewジェネ公演を再演してくださいという話になるわけ
石川ボブ
新太くんボブのCry For MeとOh, What A Nightをもう一度聴くまで死ねないな
というのが感想になってしまうわけだけど、フランキーとの対等感、パートナーとしての関係性がバランスとてもいいな、というボブだった。背の高さもね!
トミーのことは金をやって除名しようって言うし、親友のはずのニックが見えてなかったりするし、みたいなところは当然ボブなんだけど、冷徹な感じはしなくって…
にしてもやっぱりあらたくんボブの歌がまた聴きたくって…
もしかしてわたしって新太くんのことがめちゃくちゃすきですか?それは絶対そう
Team YELLOW
というわけで観られた3チームの中で一番最後に観たわけだけど、とてもよいチームだった!
今までで一番良い席で見られたっていうのと(通路後ろのドセンでした、ありがたすぎ)、何度も観たあとだからというのもあるけど、セリフも全員聞き取りやすく理解しやすかった。

小林フランキーは、君の瞳に恋してるの歌が一番大好きだったかもしれない。ストーリーの盛り上がりのピークになる曲ではあるけど、やっぱりなんか不思議な曲だし、感情のピークかと言われるとわたしにとってはそうではない。そんな中で、この人の歌がよいな、としみじみ感じてしまった。
spiトミーはあまりに自然体すぎてすっごいナチュラルジャイアンだった(笑)spiさんがニック・マッシやってたなんて信じられないよー!観てみたかった。最初の語りもあまりにつるつる飲める美味しいコーラのようで…炭酸がきついのにガブガブ飲める…
飯田ニックはこれまたすごい自然なニックだった。真面目なところ(シャツにアイロンを二度かける)も、適当なところ(子供に自分はたまに会う叔父だと吹き込む)も、こいつはそうだ、そういうやつだ、とよくわかる。不思議だね。
有澤ボブはとても華やかで、とんちゃんと有澤くんってキンキーでもダブルキャストだったけど(とんチャーリー見られてないの一生の不覚かも)、とんちゃんの影の部分を愛しているけど有澤くんのお芝居も好きだよ!原田ボブ(クルー)に固まっちゃってるとことかとてもよかったね。
アンサンブル、演出、そのほか
わたしは若松渓太さんのファンなのでジャージー・ボーイズも演目が大好きになってしまったとはいえ半分以上は若松渓太を観に行っているわけだけど、今回もステージ上でめちゃくちゃ元気で、めちゃくちゃきらきら輝いていて、そんな姿を大好きな演目で観られたことだけで、感無量だった。全方位にありがとうございます。「トミーーーー!!!!!!」ってバカデカ声で駆け込んでくるあそこだけで、しばらく分の元気をもらえてしまうもんな。
女性陣(特にメアリー)の扱い振る舞いに関しては「ほんっと男って!」みたいに言いたくなってしまうが、それでも最後まで観てあまり嫌な気持ちにならないのはどうしてだろうね。しかたない、そういうことも大いにある往々にしてあるって、どこか諦めているのかもしれない。モデルのいる、時代背景のある話だとわかっているからかもしれない。
メアリーの奔放な美しさも、ロレインの聡さから滲み出る美しさも、フランシーヌのつんとした美しさもみんな素敵だなと思う。お芝居の最後で女性四人でフォーシーズンズをやるところも大好き。
わかんねえんっすよのジップさんとか、話の転換のきっかけとなるワックスマンとか、ひょうきんで仕事熱心な警察官とか、あとまだ名前がわからないまま見ている人たちもたくさんいるけど、一つのミュージカルを何度も観るって面白いことなんだなというのを、噛み締めているところ。また上演されるときには機会に恵まれたい、いや、もぎ取って掴み取りたい所存です。
余談とか
日生劇場の雰囲気もとても好きだったが、シアタークリエの見やすさはありがたかった。劇場入ったところのウェルカム感も好き。ロビーや廊下の狭さはなんとかしてほしい。これはどこの劇場でも共通。
2022年のペンライトを持っていたので持って行ったが、カラーリングが違うのでブラックでしか振らなかった(ニュージェネの日は持って行くのを忘れた)
ニュージェネの日は後方席で近くに以前のキャストの白石拓也さんが座ってらして、みなさんに愛されている、舞台が愛されているなあと伝わってきた。他にもなんとなく関係者の方も大勢いる感じで、注目度が伝わってきた。
後ろの方でも端の席でもぜんぜん楽しいし、と思い、事実そうだったが、12列目センターに座れたときの充実度は段違いだった。これからもチケットは頑張っていこう…元気に劇場に通おう!と思ったのでした。
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