(5.31 各キャラの感想を追記)
舞台サイボーグ009を観てきました!とてもよい作品だった…!
漫画の舞台化として必要不可分な要素が90分にぎゅっと詰め込まれ、歌、ラップ、ダンス&アクション、そして映像や衣装といった見応えある演出がふんだんに盛り込まれ、満足度がとても高かったです。
おまけにわたしが観に行った回は、アフタートークショー&お見送り会付き。軽快かつ予想外のトークで笑い転げたうえにトークショー出演の全員に間近で目を合わせて手を振っていただいて……大丈夫!?チケット代足りてる!!??
よかったところとか、ギュッとしたところとか、色々書いてみようと思います。
あ、その前に、そもそもどうして原作を知らないのに舞台を見に行こうと思ったかの話をします。
・製作陣&キャストが安定の布陣だった
わたしはヒプステ(ヒプノシスマイクの舞台化作品)に、わりと誇張でなく人生捧げた部分のある人間なのですが、ヒプステとかぶってる方が多いというのはまず引力でした。
演出の植木豪さん、脚本の亀田真二郎さん、002役 高橋駿一さん、004役 里中将道さん、008役 Toyotakaさん、0010+役 滝澤諒さん、BG SOLDIERS(ダンサー部隊)というヒプステ陣に加えて、ALTAR BOYZ(こちらもだいぶ狂わされた)の川原一馬さんまで出るとなればそりゃもう、って感じです。
・フォロワーが沸いていた
信頼のおけるフォロワーたちが盛り上がっていたというのも大きかったです。しかも、その沸き方が「ほぼヒプステだ!」ではなく「あの009を!」「このメンバーでやってくれる!」という盛り上がりだったところがポイント高かった。
わたし自身はサイボーグ009についてタイトルを知っているくらいで全然通ってこなかった人間なのですが、みんながそんなに好きなやつなんだ!?というところで「知りたい」が芽生えました。
・双子がいた
最後にこれを挙げないわけにはいかない。昔から物語に登場する双子たちが大好きで、たとえば『おちゃめなふたご』シリーズの二人とか、ハリーポッターのフレッド&ジョージだったりするんですけど、今回の敵役、双子だっていうじゃないですか。しかも、たきりょとリタくんだと…!?
たきりょはヒプステの帝統役はもちろんのこと、舞台プリキュアも、というか舞台プリキュアという作品そのものが、めっちゃよかったんですよね。そしてりたくんはドラマ&舞台ナナシでわたしが一番好きなキャラクターブコツ役の子なので、この二人が双子として噛み合うところが見たすぎる、になりました。
というわけで、原作を知らないうちにチケットを取ったので、アニメを少し予習しました。観劇前に平ゼロと呼ばれてるやつの1〜25話くらいまで見れたかな。個人的に10話くらいから、キャラクターのことが少しずつわかっていって、面白く見れるぞーになりました。これからちゃんと続きも見ます。
本編感想
本編のよかったところ、たくさんあるので箇条書きにします。
キャラクターが生きてる
9人の主要メンバー、博士、3人の敵役とけっこう出てくるキャラクターが多いはずなんですけど、全員の個性がよく見える描き方なのがよかったです。
とくに9人の特殊能力なんて、舞台上で表現しにくいものも多いはずなのに、「そうくるか!」とか「そんなことまでできるの!?」が数えきれないほどあった…!
めっちゃ飛ぶジェット・リンク、めっちゃ泳ぐ(泳ぐ!?)ピュンマ、華麗なタップダンスを披露するグレート・ブリテンなどなど。007の変身能力、映像に頼らざるをえないですもんね。そこで「元舞台役者」の方を生かして見せ場を作ってもらえるの、ありがたい〜!
起動した直後の009の「馴染んでない」身体の動かし方とか、9人よりもサイボーグらしさが強調された0010二人の動作とか、キャラクターの立ち振る舞いそのものも生きていました。あと、スカール様!スカール様のマント!あのマントにわたしはなりたい。
ストーリーがわかりやすい
エピソードを絞って、オリジナルの掘り下げもしてくれて、過不足なくちょうどいい!と思いながら90分が終わったのでとても満足感がありました。
キャラクターの紹介シーンもピックアップのされ方がよかったな。舞台を見終わってからもう一度見返すと、一人一人の過去に、より「ああ」と思わされるところがあり。
そしてなんといってもほぼ舞台オリジナルのストーリーとなっていた0010、プラスとマイナスの二人。彼らがどんな人間だったのか描かれたことで、作品のテーマが違和感なく強調されていたところがよかったです。
と言いつつ、わたしは原作から入ったわけではないから、元々作品のテーマを深く考えたりもしたことがなかったわけですが、配信で一回、二回と見返すうちに、なんか「そうだよな…」って自分の中にめちゃくちゃ入ってくるところがある。そこが、60年の歴史を持つこの作品の強さだし、リスペクトを持って舞台化してくださった全ての方の力だなと感じます。
歌、ラップ、ダンス、アクション
ぜんぶ良かったんですけどやっぱり言いたくなっちゃうのジェット・リンクだな…!ワイヤーアクションよりアクロバットの方が「飛んでる」を感じさせるの、どなたかの感想でお見かけしたのだけど、ほんとに軽やかでカッコよくて最高だった。
002と003のデュエットもよかったな〜〜〜高橋駿一何から何までもってく…悔しい…ありがとう。
ラップパートも「おお!」ってなりました。たしかにあのシーンはラップの本職(本職?)が集っていた笑
スカール様や双子のアクション&ダンスも最高だったな。スカール様が二人を操るシーンを思い出すと泣きたくなってしまう。あと、あそこはどこか耳になじんだ響き?舌になじんだ味もしました。音楽がケンザさんだからなのかな…
映像、照明、光る服
今回座席が中央後方というめちゃくちゃいいポジションだったので(役者さんを見たければもっと前がよいでしょうが)、おそらく「演出としてこれを見せたい」ものが全部見えた最高の席でした。
並んだBG SOLDIERSたちの上を人が滑っていって衝撃を表現するとか、順番に光りながらの隊形移動とか。そこに映像効果も合わさって、とにかく文章じゃ表現ができないしかといって配信にも全部が映っていなくて…!良いシーンはぜひ全景映像も円盤に入れて欲しい。
と言っている間に全景映像の配信が決まってた!しかも千秋楽のカーテンコール付き…!(定点映像って全景っぽいやつでは?と思ってるけど、どうかな!?)
全景で見たいのは、BG SOLDIERS全般もそうだけど、ほかには特に0010マイナスが操るレーザービーム!めちゃくちゃカッコよかったんだよな。双子ちゃんはラストシーンも光の使い方があまりにも美しくて悲しくて…
なんだか見てはいけない気がして、現地ではさめざめと泣きながらほとんど目を閉じていたんですけど、たぶん馬鹿ですね。
アフタートーク
アフタートークの感想も少し書いておきます。
5/25マチネ、高橋さん、里中さん、滝澤さん、相澤さん(002,004,0010+-)出演回です。
進行は最年長の高橋さん。お客さんからの質問に答える形式でした。
が、初っ端そっこうリタくんが「ハイ!」と手を挙げたかと思ったらポケットからおもむろに紙の束を引っ張り出し、何かと思ったら内容は「諒くんへの感謝の手紙」。
というわけでトーク中、隙あらば手紙を読みあげ滝澤さんに愛を伝えようとするリタくんと、照れてるたきりょと、元気な高橋さんと、マイペース関西弁の里中さん、って感じで、笑いすぎて涙が出ました。楽しかった…
どうしよう、もう少しくらいどんな話が出てたか書きたいんだけど、本当に何も思い出せない!りたくんに全てを持っていかれてしまった。でも、四人がそれぞれお互いをめちゃくちゃリスペクトしてるんだなあってことが発言の一つひとつから伝わってきて、本当に見ていて幸せな気持ちになるトークショーでした。
その後のお見送り会では、一列ずつ退場する客席を四人が舞台上で見送る、という形だったので、自分の番がくるまで様子を眺めることができたのですが、お客さんの身振りに合わせてハートを返してくれたり、マシンガンを撃つ動作にリアクション取ってくれたり、お客さんが途切れる瞬間マラソンの給水ポイントのごとく大急ぎの給水タイムが始まったり、ずっとお手紙持ったままお手振りしていたりたくんが無事にポケットにお手紙しまえた瞬間に客席で拍手が巻き起こったり、最後の最後まで楽しかったです。間近で見られた0010の二人はオッドアイなのがよくわかってウワア~ってなりました。
サイボーグ009を今やるということ
最初にも書きましたが、とてもいい舞台化、舞台作品だなと思いました。それは現地で見て楽しかったから、というのももちろんあるのですが、配信も何度も見て、見返すたびに、「作品のメッセージ」とでもいったものが自分の中に強く刻み込まれていった、ということも大きいです。60年前の作品だなんて信じられないくらい、今の世界も変わっていないし、サイボーグ戦士たちが言いたいこともきっと同じだろうなって。悲しいし、憤ってしまうことですが。
でも、いくら原作が素晴らしくてメッセージが力強いといっても、数十年前の作品である。平成アニメにしたってもう二十年以上経っている。新しい読者、視聴者を呼び込むことは難しい。そんな時代に、この90分の舞台というコンパクトなスタイルで、凝縮されたリメイクが作られたことが最高だったなと思います。個人的にも出会えたことがありがたかったし、原作ファンのたくさんの方々の感想を見ていても強く感じました。
舞台の続編、できるといいなあ!また9人、そしてBG SOLDIERS、博士たちに会いたい。
0010にはもう会えないかもしれないけど、二人が生きてることをもう知っているから、大丈夫。
舞台「サイボーグ009」【5月25日夜公演収録・定点映像+26日千穐楽スペシャルカーテンコール】
追記:各キャラクターの感想
001
お声がまるで平成アニメで、すぐ「イワンだ!」になりました。対0010戦については彼も009の望みを知っていたはずで、最善の結果はどうなることだと考えていたのか、が気になるところです。
002
ポニーテールがよく似合っていて、熱いところ、やさぐれたところ、どちらも魅力に溢れていたし、アクロバットのみならず長台詞や歌が聞き取りやすくてすごい。
003
回想シーンのバレエが本当にお美しくてずっと見ていたかったです。強さと優しさ、可憐さが同居する素敵なフランソワーズでした。
004
動きの一つ一つがキャラクターを表していて重かった、かっこよかった。フォロワーさんと「役者さんの力で皮肉屋がなりをひそめて熱い男になっておりそれはそれでよい」と話したのですが、本当にそれはそれでよい。
005
でかい。強い。なんですけど、006との可愛らしい舞台上でのやりとりわりとありましたね…!一番好きなジェロニモは0010マイナスをはがいじめするシーンですが(癖)
006
愛嬌あふれる張々湖さん、火を吹く動作もまさに!でとても魅力的でした。イワンの抱っこ係だったのも違和感なくみられました。
007
一声上げれば場の空気を持っていく役者力、ザ・グレート・ブリテン。改めてタップダンスがありがたかったな…ありがとう…あのシーンを作ってくれた方々…
008
役者のトヨタカさんは初めてだったけど、トヨタカさんってこんなにピュンマなんだ!?熱いところも優しいところも強さも、しなやかさも。
009
七海さんは演劇ドラフト以来に拝見させていただきましたが、正義にあふれ憂いを帯びたジョーの雰囲気がとてもハマり役だった、というか、七海さんでよかったなあ…
0010プラス・シキ
プラスのときとシキのときの温度差!サウナでもここまで整えないよ(?)ダンスもアクションも歌も良くて…たきりょ…にいちゃん…
0010マイナス・リク
おばかでかわいくてつよくてかっこよかった どんな世界線でもいいからどうか幸せになって、そして、幸せにしてやってくれ ふたご
スカール様
華麗でしなやかな悪 もはや美しい以外に言葉はいらないかも ギュルンギュルン踊ってらっしゃるところもっともっと見たかった〜
ギルモア博士
見た目は舞台オリジナルだったけれど大丈夫、みんなのパパでした。カテコでばきばき踊ってるのラブだったな!
BG SOLDIERS
キャラクターではないけど書かないわけにいかない!ダンサー、アンサンブル、舞台効果の全てをこなすスペシャリスト集団。ヒプステにもでてらっしゃる方多いのだけど、みんなどんどん役者要素が増えてってすごい。セリフのたびに沸いてました!今回も最高の舞台を縁の下で誰より力強く支えてくださってありがとうございました。
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あと、曲とかの感想も書きたいねえ 頭の中でずっとぐるぐる流れています
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