ゴッホ展2019-2020 in上野の森美術館(2019/12/6)

展示・展覧会
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上野の森美術館で開催されていたゴッホ展を見てきました。

実家の母に「ゴッホ展行くよ」と半ば強制連行をかけられたときには「いつもお世話になってるしたまにはついてくか…」くらいの気持ちだったのですが、見終わったときには「母。ありがとう。」という気持ちでいっぱいでした。

とてもよかった。特に音声ガイドが。

展覧会に行く前に、多少テーマであるゴッホのこと、印象派のことを調べておいたのも良かったんだと思います。
前知識があるだけで、充実感がこんなに違うんですね。

そのあたりも含めて、感想を書きたいと思います。

※上野の森美術館での東京展は終了。兵庫展が、兵庫県立美術館にて2020/1/25~3/29開催です。

ゴッホ展 | ゴッホ展 期間終了 ご来場ありがとうございました
ゴッホ展は終了いたしました。 ご来場いただいた皆様へ厚く御礼申し上げます。 ●展覧会構成  ― 第一部 ―   ハーグ派...
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YouTubeでゴッホと印象派を予習

絵画にもゴッホにも詳しくないので、YouTubeで予習しました。

印象派の歴史編。
今回のゴッホ展は、2部が印象派をテーマにしており関連する絵画の展示が多かったため、こっちから見ておいて良かったです。

そしてゴッホ偉人伝がこちら。

こっちは見てる最中に寝落ちした記憶……(前日つめこみ学習型)
それでも、ゴッホの孤独と悲哀みたいなものが伝わってきて、展覧会を倍楽しめたことは間違いありません。

中田さんのYouTube大学は、どの授業も中田さんが読んで面白かった本を解説する、という形態をとっています。
だから、解説を聞きたいんじゃなくて自分で勉強したい、という方は、中田さんが参考にした本を読むのが手っ取り早いのでは、と思う。

ペンブックス12 印象派。絵画を変えた革命家たち

(↑この本もそうだし、このシリーズとても面白そう。頭のノートにメモ)

音声ガイドのススメ

音声ガイドを聞くと展覧会がよくわかるんだよね、という認識はあったのですが、音声ガイドで泣いたのはこれが初めてでした。

音声ガイド│ゴッホ展

女優の杉咲花さんがナレーション、そして声優の小野賢章さんがゴッホの弟テオ役としてナビゲーションをしてくれます。

借りるまで小野さんだということも、テオだということも知らず「へーそうなんだ。ということはテオはゴッホの人生にとってきっと重要な役割を果たしているんだなあ(←ここらへんの認識の甘さがたぶん寝落ちの成果)」と思いながら、まずガイドを聴く前に、入り口付近にあったゴッホの年表を見ました。

ゴッホが若くして亡くなっているのは知っています。
年表にもゴッホの死はもちろん書いてあります。
……ゴッホの死のすぐ次の行くらいに、テオの死が刻まれています。

なんかここでもう、すっごい動揺しちゃって。
まだ絵を一枚も見てないのに。
ゴッホが死んだらすぐテオ、死んじゃったんだ。
ていうか「若くして死んだ」と言われているゴッホより若いじゃん。うそでしょ。

「君は死ぬんだなあ」と当然のことを思いながら聞いた音声ガイドは、なんだろう、もはや展覧会のサポートグッズとしてではなく、それ自体が作品としてとても面白かったです。
最後の絵の前では、語りに圧倒されてしばしぼうっとしてしまい、立ち直れなくなりそうでした。

このホンを書いた方、とてもよくわかってらっしゃるなあと思う。ふだんどんなお仕事してるんだろ(笑)

「ひまわり」はないけれど

ゴッホといえば「ひまわり」、みたいな超有名作品は今回の展覧会にはありませんでした。

でも、ちゃんと知識があれば、解説を聞けば、「こういう経緯があってこういう絵を描いたんだ」「こんな風に変化していったんだ」ということをじっくり楽しむことができました。

自分がいまここで見て、感じて、味わっている絵を、百年以上前に描いた人がいたんだなあ。
当時は評価されなくて、とても苦しくて、だけどずっと二人三脚してくれた人がいたんだなあ。
今こんなに愛されてて、全然知らないわたしでさえすごいって思うのに、百倍、いや一千倍以上の熱量でこの絵を、この人を愛している人が、世界中に数えきれないほどいるんだなあ。
そして、絵が生き続けるかぎり、その人数は増え続けるんだな。

シンプルにすごいなとおもったし、そんなことを書いた川上未映子さんの文章が泣きたくなるほど好きです。

私はゴッホにゆうたりたい│川上未映子

個人的に感じたゴッホのエモポイント

  • 27歳で画家になろうと決意したった10年で全ての作品を描いて死んだ
  • 親や親戚の理解が得られず弟テオが唯一の理解者であり援助者だった
  • 600通以上ものやりとりした書簡(テオは取っていたけどゴッホはほとんど捨ててた)
  • 生きてる間には絵が一枚しか売れなかった
  • じゃあどうやって生計を立ててたかというと、テオが給料の半分をゴッホにあげる代わりに絵の所有権を全て持った(いつか売れると信じていた)(テオは有能な画商)
  • なのに37歳でゴッホが自殺したたったの半年後にテオも病気で亡くなった
  • テオの住むパリに「来ちゃった☆」事件
  • ゴッホが「絵描きの仲間たちと暮らすんだ」ってウキウキで家を借りたとき唯一来てくれたゴーギャンも実はゴッホが寂しかろうとテオが頼みこんでくれた人
  • テオへの最後の手紙をポケットに拳銃自殺
  • 最後はテオの胸で看取られた

以上、音声ガイドを聞いての感想です。

美術館って苦手でした。
それでも、海外の(ヨーロッパの)美術館はだだっぴろい空間がとてもすきで、誰の絵かもわからない絵の前のベンチにこしかけて人の行き来をただながめている、というような時間が至福のときだったりもしたのですが、東京の美術館ってとても狭くて人がたくさんで、とうていそんなことってかなわないので。

でも、今回行ってみて美術館おもしろいなって思いました。
またちゃんと予習して、解説聞いて、っていうのをやってみたいなと思っています。

↓そんなこともあって音声ガイド(千葉雄大さん)のためだけに遠征した日記

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